昨日のNHK杯の特集
「氷上の表現者 高橋大輔~NHKフィギュアの歩み~」
良かったですね。
時系列的に紹介されて、高橋大輔選手の成長がよくわかるものでした。
(真央ちゃんもこのくらいやってほしかったぜ)
ジュニアからシニアへ
そしてGPS優勝と五輪メダル。世界王者へ。
毎年新しいプロに挑戦し、今までの選手がやったことのないものに
挑戦し続けている。
だからと言って、ものすごく気負ってやっているのではなく、
自分がどうやりたいか、周りの人がどう自分を見てくれていて、
どう表現していくか。
ものすごく自然にやっているのだな、と演技とインタビューで再認識しました。
確かに彼のプロは、マネしても真似できるものではない。
天性の音感とリズム感。
それに合わせた身体の動き。
どれをとっても、素晴らしいものだった。
そして新たな新星の登場で、自分がアスリートとして
どうやってモチベーションを保っていくか。
ソチの前はそれで悩んでいたように感じました。
実際、ソチの前のGPS初戦のスケアメを覚えていますが、
これはオリンピックまずいかも?と思わせてしまうような内容でした。
次のNHK杯次第では、全日本で優勝しない限り難しくなってきた。
しかし、若手の台頭により、それはちょっと厳しい状態でした。
バイオリンのためのソナチネ
そんな中でのNHK杯
私が彼の演技で、一番印象に残っているのが、2013年NHK杯のSP
「バイオリンのためのソナチネ」
これは一時話題となった、盲目の作曲家が作ったと話題になっていたもので、
そういった面でも注目していたのですが、このNHK杯での彼の演技は
ものすごく集中して、かつてない雰囲気を醸していたように感じました。
彼のプロは、結構好きなものが多いのですが、実は私はこれが一番好きなのかもしれません。
彼の素晴らしいステップを生かしているプロだったり、
芸術性が高いもの、革新的なもの、たくさんあるのですが、
彼のいままでにない、淡々と優勝をもぎ取っていくような演技に
眼を奪われていました。
終わった後も、笑顔なく、淡々とリンクサイドに戻ってきました。
モロゾフが替わりに泣いてましたが(笑)
強さと弱さとチャレンジ精神を併せもつ
前年のNHK杯で羽生くんに僅差で負けた際、
「弱いアスリートがいてもいい」と開き直り、無駄にあがくのをやめ、
自分を俯瞰して冷静に観察したというような事をインタビューで語っていました。
自分の弱さを認める強さをそこにみました。
正直、あのころの羽生結弦を止めるものは、パトリック・チャンしかいませんでした。
若さの勢いがありました。
そこにアスリートとして、人として納得をもってリンクに立つ、高橋大輔を見ました。
ものすごいファンではなかったのですが、この時に高橋大輔が
すごいスケーターだった、と感じたのです。
オリンピックでもなく、このGPSの一試合で。
SPの作曲者問題で、色々もめていたので、どうなることか、と思ったけれども
そんな些末な事は、彼の演技にはあまり影響しなかったように思います。
その後、彼は一度引退して、再度シングルスケーターとして戻り、
そして今はアイスダンスに挑戦している。
復帰後のプロは、どれも素晴らしく、もっと見たい気持ちがいっぱいですが、
元々彼を魅了していた、アイスダンスの世界へ行ってしまった。
北京を狙うくらい頑張ると言っていた高橋大輔。
どこまでも規格外。
日本が誇る、スケーター、レジェンドの一人です。
【今日の独り言】
彼の手の表情とか見ていると、真剣なバレエプロ、やってもよかったかもしれないですよね。
そして見ていたら、ネイサンもバレエのロミジュリ、やってみてほしくなった。