すでにフィンランド杯がスタートしているのに、いまさらNHK杯です。
御多分に漏れず、私も昨年のNHK杯でショックを受けたものの一人です。
採点に関してです。
素人がゴチャゴチャ言うな、というご意見もありました。
ごもっともです。
でも、やはりわからない。
フィギュアというのは、技術が優先なのか(ジャンプね)表現力なのか。
何度もくどいが、私はネイサンファンであるが、日本の選手の最推しは、
今更ながら、昌磨だったと痛感している。
現にネイサンが引退(まだ表明してないけど、ほぼそうやろ)しても、
嬉々として試合やショーに遠征したのは、昌磨がいたからだったのだ。
ただ、昨年度は端から見ても、昌磨が現役に対してのモチベーションが落ちているのはわかった。
それがネイサンや羽生さんという、目指していた選手がいなくなったのが一因だったと語っているが、引退を決意したのは、たぶん昨年のNHK杯。
自分が「良かった」と公言するほど、素晴らしかったFS。
点数が出た時のざわめき。
プロトコルが出た時の衝撃。
筆舌しがたい。
ガチの昌磨ファンなら寝込んでしまうだろう。
今まで信じていたものが崩れ落ちる瞬間というのを、あの時感じた。
テレビで見るより、回転不足というのは、会場ではわかりやすいと思っていたが、
そんなにひどかったのか、それとも私も推しているが故の判定の甘さか?
小塚くんは、「回転不足は、跳んでいる選手が一番わかっている」と言っていた。
あまりはっきりと自分を誉めない昌磨が、「良かった」と言ったFS。
彼自身も、自分の判断が、現役を続けるに足るものではない、と感じてしまったのか。
どちらにせよ、全日本では引退を決意していたそうだから、あのNHK杯が
背中を押したのは間違いない。
今年のNHK杯。
最推しがいないが、壷井たっちゃんとか、りくりゅうという名古屋のスケーター。
日本のトップのさかもっちゃんに、ゆまち。
伸び盛りの佳生くん。百音ちゃんに、佑奈ちゃん。
見どころ満載で楽しめた。
ただ、足りないのは、あのヒリヒリとした緊張感と、空気感。
それはいつもあるが、自分が感じ取れるかどうか、と言う事。
ネイサンがいつもリンクインした時、集中できますように、氷に嫌われませんように・・と祈るように、昨年は昌磨に対して祈っていた。
だがしかし。
今年は格別祈る事がなかった。
言葉を選び間違えないように言うのであれば
「みんな実力を出し切れますように」とは願っていた。
祈りと願いの違いなのかもしれない。
誤解があるといけないが、いつも真剣勝負の試合は素晴らしい。
ただ、どこまで自分がその素晴らしさを感じられるか、という事である。
たぶん興味のない競技でも、素晴らしいものを見た時は、一定の感動が訪れる。
しかし、推している選手がいると、その振れ幅が増幅されるのだ。
その違いだと思う。
推しがいてもいなくても、
今年のNHK杯は素晴らしかった。
そういう事なんですね。