先日、「この世界は1ダフル」という番組で、また真央ちゃんのソチの
FSの特集があった。
五輪シーズンだったりすると色々また再燃することがあるが、たいてい
特番だったりするが、この番組、なんじゃらほいと思って検索した。
「一流が選んだ人生で一番スゴい話」というサブタイトルがついていた。
なるほどね。
それでnumberの編集長が出してきたのね。納得。
この番組の制作意図はよくわからないが、過去の一番、というものがまた見直されて出てくるのは、いいことかもしれない。
風化させないためにも。
そして相変わらずの真央ちゃんのソチは、今なお色褪せない。
取り上げ方は色々問題があるにせよ、あの4分9秒は、私の観戦歴史の中でも、
見た演技、見たシュチュエーションなど、忘れられない。
あの演技を現在の女子が、再現できますか?
できない。
ソチは結構がっつり見たのですが、女子の演技で覚えているのは、真央ちゃんのみ。
カロ様がかすかに記憶があるかな・・・、あとソトニコワがそのシーズンの小塚君と曲が同じだったので、記憶に残っている(ロンドカプリチオーソだった)
点数は1位ではなかったが、あの演技は忘れない。
そして10年経とうとしているが、今でもふいに見ると泣けてくる。
それはフィギュアファンで、彼女のそれまでの歴史を知っているから。
普通の人が見たら、「すごい演技」としか認識されない。
(いや、それでもすごいけれども)
この世で一番美しい涙だった。
これがメダルなしというのが、残念でならないが、だからこそすごい演技だったとも
言える。
この時は本当に運命の残酷さというのが、身に染みていた。
よく知らない人達は、浅田真央はいざと言う時ダメだ(森元首相とかな!!)
とか言っていたが、彼女の人生の苦悩を知っていたら、そんな言葉は出てこないはずだ。
誰かが、真央ちゃんのプレッシャーを背負ったら、立つことすらできないくらい重いはずだ、と言っていたが、そうだと思う。
ずっと期待されて、でも連盟のサポートは薄く、マスコミも辛辣。
愛する母親を早くになくし、孤軍奮闘していた彼女に、これでもか、と
重いプレッシャーを与えられてきた。
そんな彼女にソチでの環境は万全ではなかった。
いや、むしろ過酷だった。
なのに、成績だけは残せという残酷な課題。
なんというファイターなのだ、とあの2月の夜中に布団をかぶりながら、中継を見ていた。
後半は正直涙が溢れて、テレビの画像が見れていなかった。
私の最高潮は最後の3Loだった。
ちょうど画面正面に映っていて、こちらにグッと手を差し伸べられてた感じに見えた。
ガッツポーズとも言った人がいたが、私はみんなに向かって、「跳んだよ」という
合図に感じた。
その後の鬼のような怒涛のステップ。
そしてスパイラルから、のラストポーズ。
あんなスピードで滑って、止まって、背中を反らせるポーズでフィニッシュなんて、
なんてタラソワは難しい事をやらせるんだ、とも当時思っていた。
今回の番組で、若い人たちが「すごい」と見てくれたのは良かったと思う。
snowmanの渡辺翔太くんもMCにいたが、しっかり見たのはその時のようだ。
一緒に番組とか出た事もあるお姉さんが、こんなすごいアスリートだ、と
思ってなかったと思う。
ただ、私たちに比べて感動は薄いと思う。
それは致し方ない事だが、なんとなく薄い番組だった気がしてならない。
もっとスケートに知見のある人が出て、語ってほしかった。
いかにこれが凄かったか、素晴らしかったかと言う事を。
織田君とかが泣いて語ってくれても良かった(全日本前だから無理だけど)
しかし、numberの編集長が、これを出してくれたのは大きいと思った。
なんて、またソチフリーを見ながら、泣いてしまっていた夜だった。
【今日の独り言】
個人的には、この表紙も大好き。
真央ちゃんのファイターな表情がかっこいい。