昌磨はやはり王者だった。
そしてマリニンとゆまちも、それに続く王者になる。
今年のGPFでも、それを証明した。
優勝はマリニン、昌磨が銀、ゆまちが銅メダル。
SPから順位が動く事はなかった。
でも誰もがミスを最小限にとどめ、全力を出し切ったいい試合だったと思う。
そして昌磨。
昨年は全戦全勝だったから、王者という称号を獲得した。
でも、証明するには、複数年その座につくのが必要だったのか?
そうは思わない。
その選手にその風格と、資質などが備わっているかどうか、ではないかと
思う。
ただ、王者になりたくて、目指すものもいるだろう。
勝つためのフィギュア、自分が滑りたいから滑るスケート、そして何かを証明したいと
思うスポーツとして競技しているのでは、全然違う。
本人の意識もそうだが、見ている観客の受け取り方も違うのだ。
■(ハイライト)「ハイレベルの戦い、楽しい」
前年王者の宇野は、激戦を楽しんでいた。演技中盤のトリプルアクセル(3回転半)は、空中で体が開き1回転半に。予定した連続ジャンプを跳べなかったが、最後のジャンプ要素の構成を変えてカバー。「ベストを尽くせた」
今大会の直前、出場選手の顔ぶれを踏まえ、「ノーミスに近くないと勝てない」と語った。実際、マリニンが力をつけ、鍵山もけがから復活した。
ただ、彼らに勝つことが意欲の源というわけではない。他選手は「ライバルというより仲間」。高め合える存在だという。
宇野は「対等に戦えるように」と羽生結弦、ネーサン・チェン(米)ら先輩を目標に成長してきた。背中を追った2人のように、今度は自身が「(後輩たちの)モチベーションになれば」。今は、そんな思いでリンクに立っている。
昨季はGPファイナル、世界選手権など出場した大会すべてで優勝。一方、物足りなさもあった。「競技に楽しさが見つかれば」と漏らしたこともある。葛藤が、後輩たちの存在で変わりつつある。優勝したマリニンは、転倒しながらもフリーで200点超をたたき出した。「ここまでハイレベルの戦いになると思わなかった。楽しい」
羽生、ネーサンには「置いていかれた」と宇野は言う。「今回は置いていかれないようにしたい」。フィギュア界を引っ張ってきた25歳に、熱が戻りつつある。(北京=藤野隆晃)
人によって、フィギュア(スポーツ)の観方は全然違ってくるとは思うが、私は王者の滑りが好きである。
王者の滑りというのは、競技としてトップに立つ、というのもそうだが、
それだけでなく、常に挑戦し続けている姿勢、競技についての発展、ファンへの感謝、
競技している仲間へのリスペクトなどなど、競技中、プレカン、インタビューなどから垣間見る事ができる。
ネイサンも真央ちゃんも同じに感じたし、ちょっとだけ感覚が違うけれども
昌磨にも感じていた。
日本、世界のエースの一人ではあったが、世界の頂点になかなか立てなかった。
でも、今回名実ともに世界のエースとなった気がした。
確かにGPFでは銀に甘んじた。
昌磨の言っているとおり、誰がトップに立つか、わからないワクワクした勝負だった。
PCSでは昌磨が
TESではマリニン。
GOEではゆまち
脅威の身体能力のアダムと佳生くん。
特異な芸術性のケヴィン。
どれも魅せられた。
それをきちんと認めて、若手の台頭を受け止め、自分もおいて行かれないように努力すると明言できる、心の強さ。思いやり。
心技体とも兼ね備えていると証明できたGPFだった気がする。
マリニンの初優勝とともに、昌磨、ゆまちの台乗りを称え、
共に戦った選手たちにも称賛を。
心なしか、昌磨が一番うれしそうに見える表彰台。
マリニンもゆまちも、今後こういう先輩を見習って、素晴らしい選手になっていくと
思うし、すでにその素質は出てきている。
試合の内容の振り返りはこれからじっくりしたいが、(何せ受け止める側のキャパオーバーになる試合だった)結果について、感じた事を記しておく。
おめでとう、マリニン。
昌磨、ゆまち!!
この後、全日本とワールドがある。
まだまだ楽しませてほしい!!
【今日の独り言】
こんな試合は、きっと幻の大阪のGPFでも見れたはずなのに・・・と
思うとまた、悔しい思いが去来する。