とかくに人の世は住みにくい

(一応)ネイサン・チェンファンのブログです。その他趣味、日常、時事問題 何ということはない事を呟きます・・・

全日本女王 カオリサカモト!

ずいぶん周回遅れな感が否めませんが、現地観戦では

整理のつかない事って多い。

 

女子FSもそんな感じ。

情報量が多いんですよね。

テレビだと細かい部分は見られるのですが、

現地だとその現地の雰囲気、観客の息遣い

色んな情報が一気になだれ込んできます。

 

女子でもまずは優勝。

坂本花織選手。

 

ブログでも書いたかもしれないけれども、

FSはピアノレッスンに戻してもいいかと思っていた。

全日本はさいたまスーパーアリーナだから。

 

さいたまワールドで、あの最後の3ループ。

すっぽ抜けてしまった瞬間のみんなのため息。

 

私にはあれも、後遺症として残っている。

たぶん本人も、得意であるが故にどこかに残っていると思う。

あの時も全日本女王として迎えたワールドだったと思う。

 

4年前は割とメンタルが強い方ではない選手だ、と思っていた。

随所に人の良さが出ていて、それが彼女の大きな魅力だったが、

それゆえ、繊細でいざという時の鈍感力につながらないのかと

勝手に心配していた。

 

あのさいたまワールドでは、最後のループが成功したら、たぶん

彼女はメダリストだったはずだ。

 

たった一本のジャンプがその人のスケートキャリアを変えてしまうのかと

改めて、厳しい世界で戦っているのだと痛感した。

 

もちろん全日本女王は素晴らしい。

しかし、キャリアとしてはISU公認の大会で成績を修める事だ。

四大陸は取った。

あとはワールドか五輪だ。

 

この時はまだロシア女子の四回転時代は、始まっていなかった。

でも、翌年から始まる事を誰もが知っていた。

だから四回転を持っていない選手にとって、ワールドのメダルを取る

最後のチャンスだったかもしれないのだ。

 

そういう大一番に強くならねばならない。

たぶんリショー先生は、そう考えて、その次のシーズンに

「マトリックス」そして、五輪シーズンに「WOMAN」を持ってきたのではないか。

 

最初はなんだかしっくりこないな、と思っていたが、NHK杯と全日本で

完成に近づいているのは感じた。

 

双方とも女性の強さを感じられるプロだ。

マトリックスの時は、「カオリックス」と呼ばれるほど、彼女の代名詞となった。

 

そう、坂本花織は強くなったのだ。

女性が強くなる、というより、女性である坂本花織が。

そしてスケーターとしての坂本花織が強くなったのだ。

 

それをこのプロが証明した。

 

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会場で、私は祈りながらノーミスを祈った。

そして最後のループを無事成功できるように、心から祈った。

 

これが成功したら、彼女が本当に強いスケーターとなったと

胸を張って言える。

そう感じたから。

 

結果は成功だ。

そしてパーソナルベストの点数を叩きだした。

 

彼女が3Aや4回転を武装しないと世界と戦えないとコメントしている人も

多い。

しかし、彼女はまず過去の自分に勝つ必要があったと思う。

新しい武器を手に入れるのはその後だ。

 

今ある武器で思いっきり戦った後、手に入れる戦いに臨めるのだ。

 

ここ大一番で崩れなかった。

きっとロシア女子の前でも崩れないだろう。

自分をもって、自分を知って、戦いに挑む坂本花織選手に、

手が痛くなるほどの拍手とスタオペをした。

 

最後のジャンプが終わってから、ずっと拍手が会場に響いていた。

これは羽生選手の時より長かったと感じた。

 

みんなループが心配だったのかもしれない。

 

五輪でどんな成績になるかはわからない。

でもちゃんと自分を持っていれば、相応の成績が付いてくる。

 

全日本女王、おめでとう。

そして北京五輪、悔いが残らないように、頑張ってほしい。

 

 

 

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