ロコか!!
この記事を見て、さもありなん、と膝を打ったのは私だけではないだろう。
いままで、宇野は“自分の演技に満足”したことは、あったのだろうか。
聞いてみると宇野は、全日本選手権初優勝を飾った2016-17シーズンのフリースケーティングを挙げた。情熱的なタンゴで演じた『ブエノスアイレス午前零時/ロコへのバラード』。
「僕がギリ記憶に残っているのは、『ロコ』をやっていた時とかぐらいですね。もうあれは、若さ故の粗い部分はありましたけど、1個1個の試合にもう全力で、つなぎも全力でやれていた」
このシーズンは、SPがラベンダーで、FSはロコ
昌磨のプロは大好きなものが多いけれども、SP、FSダブルでとても大好きなシーズンだった。
この年は、ネイサンがシニアデビューした年で、ネイサンの海賊と、ロコとラベンダーを鬼リピした記憶がある。
特に端から見てもゾーンに入っているな、と思ったのは、ロコだった。
確か2016のバロセロナのGPFだ。
滑り終わった後も数秒、まだ演技から抜けきっていなくて、その後はっと気づいて
いつもの昌磨の笑顔になったのが印象的だった。
あの印象があるから、昌磨が今まで「ジャンプ偏重だった」というのは、
にわかには信じられなかった。
だって、あのシーズン、誰よりも演技に入っていたような気がするから。
ネイサンは、どちらかというとクールに考えて演技していたと思う。
悪いという事ではなく、自分の長所、短所をきちんとわかった上で、
どうやったらパーフェクトに近づけるか、という事を考えて滑っていたと思う。
そうでなかったら、あんな高難度ジャンプをバンバン成功させられる訳がない。
もちろん演技力もありましたよ。
でも、ゾーンはなかった気がする。
あったかな・・・・さいたまのFSか、ミラノのGPFのロケットマンは
ちょっとそんな感じはあったかも、だけれども。
このロコは、びっくりした。
たぶん真央ちゃんの鐘よりびっくりした。
シニア二年目で、まだ10代のかわいい感じの昌磨が、狂気を演じていた。
ステップも複雑で、音楽も今までとガラリと変わった曲調。
狂った男を演じる昌磨を見て、こんなのも滑れるんだ・・・と
本当に驚いた。
その後、グレスピとDOMOが出てくるまで、昌磨のプロの中で一番のお気に入りだった。(今も大好きだけど)
フィギュアの演技力については、習得については色々な方法があると思う。
ネイサンは、MAO’S LAST DANCERの時、ローリーニコルに、背景とか
色々説明を受けていたと言っていたのを思い出した。
(そんなしっかりとした説明を受けたのは、初めてだったとも)
まっちーもかなり独自の解釈方法を持っていたと思う。
昌磨は音楽解釈については、何も聞かず、自分で感じたものを滑っていると聞いた事がある。
ネイサンとの対談の時、「僕はなんとなくやっているだけ」とも発言していた。
それでいて、あの滑りなのか、と音楽に共鳴する感性がすごいな、と感心した。
あとは四肢の使い方。
背中から動かす手の動き、柔らかい背中と足首。
一時は左手が動かない問題があったが、ステファンのところに行って、それも解消された。
豊かな音楽解釈と表現、それを表現できる肉体が合わさって、昌磨のプロは完成している。
それがなんとなく、でも、他の選手からしたらすごい事。
もっともっと求めているのか。
中国杯のFSは残念だったが、まだシーズン初戦だった。
今シーズンの最終にはどんなものになっているのか、楽しみだ。
【今日の独り言】
推しのプロで何が一番好きか、選べない!ってのは幸せだよね。
いつ見ても、いいんだから。