中国杯、終わりました。
昌磨は、FSが4回転二本の失敗で、総合2位。
ファイナルは、NHK杯で決まります。(当たり前)
終わった時、納得のいった顔をしていたので、あまり心配ではなかったです。
それよりも、このプロの完成形はどこに行きつくのかな、というのが興味深い。
昨シーズンまでは、アイスショーでこれでもか!というくらい新プロを滑っていたのに、今シーズンはほぼ実戦なし。
まだ感覚が戻ってないような気がしました。
もともとあまり緊張せず、失敗しても笑っている(平昌の時)ような昌磨なので、
これも想定内だったのだろうな、と感じました。
ただ、そのミスをものともせず、美しいプロを滑り切りました。
なんというか、全体的に流れるように美しい演技だったので、
切り取ってどこがどうだ、と言いにくい感じがしました。
本人も納得しているし、集中している感じはありました。
ただ、アダムのように闘争心をもって滑っている感は、ほぼ見当たりませんでした。
それもそのはず。
演技終了後、本人が言っていましたもの。
フィギュアスケートGPシリーズ第4戦中国杯で男子準優勝の宇野昌磨が12日、重慶で一夜明け取材に応じた。世界選手権2連覇中の王者が頂点をアダム・シャオイムファ(フランス)に譲る形となったが、「(表彰式で)自分が優勝するよりも今回のアダムくんとかが優勝して喜んでいる姿を見ると凄くうれしい。自分自身が結果に対する気持ち、競技に対する闘争心とかが今、本当に薄いんだろうなと思った。みんな優勝してほしいなって気持ちでした」と率直な思いを語った。
中略
世界王者として、今後はどう自身と向き合い続けるのか。宇野は「スケート界にも、今後の自分にとってもプラスになる立ち回りはしたいと考えている」と話す。「競技に対するモチベーションが難しいっていうのは、それは僕の話」と言い「たくさんの若い人が競技に全力を注いで、本当に素晴らしい。試合に対する気持ちの持ち方で比べたら、みんなの方がここで絶対やり切る強い思いがあると思う」と認める。
昌磨が若い人たち、って!
ちっちゃい時から知っている私たちとしては、昌磨がもう大人になってしまったようで、少々寂しい。
しかし、勝負だけにこだわらないからこそ、の集中はあった気がします。
奇しくも同じころに、同じ様な事を言っていた、愛知県の若者がいました。
藤井聡太八冠です。
ちょうど竜王戦の防衛後でした。
将棋の藤井聡太竜王(21)=名人、王位、叡王、王座、棋王、王将、棋聖と合わせて八冠=が12日午前、竜王3連覇から一夜明け、北海道小樽市「銀鱗荘」で会見に臨み、「一夜明け、改めて防衛の喜びを感じている」と語った。
藤井は「盤上没我」と揮ごうした色紙を持った。盤上に没頭し、集中して考えるという意味。「常に対局中になれるわけではないが、今回のシリーズではそのような感覚になるところもあった。その感覚を大事にしていけたらいいかなと思って書きました」
「盤上没我」という揮毫を色紙にしたためた。
将棋の盤上に集中して考える、という意味。
昌磨の場合は、氷上の盤に集中して、滑っていたような気がします。
昌磨を表す言葉としても、ぴったりだな、と感じました。
昌磨も藤井八冠も、すべてのタイトルを獲った王者として、次は何に没頭するか、というと、昌磨は演技力。藤井八冠は面白い将棋と、もはや勝負については目標から少し外れてしまうのでしょう。
今回アダムのFSの演技は素晴らしかった。
高難度ジャンプをきめ、難しいリショープロを滑り切った。
昨年までの昌磨がそうだったように、自分の限界値まで引き上げるプロを滑り切る。
これから楽しみな選手だ。
ただ、気になるのは、昌磨の様子。
闘争心がメラメラありすぎるのも問題なのだが、薄いのも問題なのだ。
そう。
ある日、いきなり引退してしまわないかという事。
まっちーのように、全日本で、ハイ終わり。となってしまったら・・・と
考えたら、怖くなった。
昌磨の目指す先が、現役のプロをこなす事ではないのではないかと。
ただ、自分が羽生さん、ネイサンを目指していたような存在である責任は全うしたい、と言っていたから、それが終わった、と感じたら、あっさり辞めてしまわないかと。
誰かもう一度、昌磨の闘争心に火をつけてくれないか。
私はまだまだ昌磨が見たいし、ミラノ五輪へ行って欲しいと思っている。
私は試合が好きだから、アイスショーでは見れない昌磨の演技が見たい。
自分の杞憂であればいいのだが。
毎日新聞社よりお借りしました。
ニノさんで言われた事を、学習した宇野昌磨。