今回、応援していて、切ない気持ちになる事もありましたが、
これぞ、真剣勝負の先にある美しいものがちりばめられていたので、
救われた。
たとえば、ドノヴァンくん。
FSを滑り降りて、ミスはあったものの、SB。
ものすごくうれしそうだった。
いい笑顔だった。
コーチたちも。
確かにトップスケーターにしたら、よろしいとは言えない点数。
でも、彼にとってはSB。
進化した証。
それがワールドでできたというのは、アスリートとして嬉しい事なんだ、と。
確かに世界一を決める大会ではあるのだけれども、正直到底優勝なぞ狙えない選手だっている。
その選手たちにとっても、ワールドは大切な試合。
日本はレベルが高いから、出場しただけで、優勝候補、入賞というのが、当たり前になってきてしまっているが、そうではない国だってある。
正直、昌磨もステファンのためにいい成績を、と思っていただろう。
もちろん勝負には勝ちたい、という負けず嫌いではあるが、彼がよい成績を残したいというのは、自分のためだけではない場合が多い。
お世話になった人たち、自分のファンといってくれる後輩、などなど期待に応えたいという気持ちが強い気がする。
あとは、自分で納得できれば、それでいい、という感じに取れる。
昌磨も4回転なしで、挑めば、ジェイブラレベルは軽々と行く気がする。
でも、出るからには、勝つ事が義務つけられている。
そう。枠取り。
彼はいつも、来年のためにも勝負に出ている。
彼が枠取りの足を引っ張った事はなく、むしろ彼がいなかったら、日本男子は常に3枠取れていなかった。
先輩とか休みがちだったしね。
もう、今や満身創痍。
でも今回、「もう自分がいなくても大丈夫」と思ってしまいそうで怖い。
ゆまちや、佳生くん、駿君は、もし昌磨がいなくなった時、向かい風がこんなに
厳しいのか、と実感すると思う。
シニアデビューした時は、何も話さなかったシャイな紅顔の少年は、いつの間にか大人のスケーターになっていた。
私は真央ちゃんの次に推していたのはネイサンだけれども、昌磨とは同じネイサンファンという事でシンパシーを感じていたし、真央ちゃんがお気に入りの昌磨とは、と
見ていたので、なんだかうちの親戚の子のような気がしてならない。
そして、一番の推しではないのだが、昌磨のプロのリピ回数は、ネイサンと同等くらいだと思う。
ネイサンと昌磨は私を色んなところに行く原動力となった。
ネイサンは見たけれども、海外は・・・と思っていたら、
グルノーブルに、昌磨もザギちゃんも、マライアちゃん、かおちゃん、新葉ちゃん
パパシゼが出るという事で、初の海外遠征に出られた。
その後はぜったい、モンペリエに行く!と決めていたが、コロナで日本からは行くのが簡単ではなかったので、断念。
今度は昌磨と草太が一緒の試合なら行けるかな、と思ったら中国杯。
中国はちょっといけないなぁと思っていたので、来季にかけようと思っていた。
が、そうはいかないかもしれないのだな。
今のスケート界が、穏やかなのは、日本のトップが昌磨とかおちゃんだから、と
美穂子先生がインタで言っていた。
そう。
それが世界でもそうなのだから。
だから美しいものがいっぱい見れた。
選手が全力で競技に取り組み、成功した涙。
失敗した涙。すべて美しい。
そして成功した選手を称えるグリーンルームは、常に笑顔だった。
あと、カナダのホスピタリティは素晴らしかった。
国家斉唱の合唱団、製氷の間のキーガン、ナムくん、Pちゃん登場。
本当のお客様ファーストだった。
ただ、リンクが狭いのはあかん。
りくりゅうのために、メダルセレモニーを再度やってくれたり、胸アツです。
そしてネイサンも来ていたなんて、私も行きたかった!!
(実際行こうかと、チケットとか航空券とか見ていたが、仕事があるのと、お値段がすごいので、いけなかった)
ただひとつ、残念なのは、アダムのバックフリップだ。
減点はともかく、ルール的に違反なものを点数引かれるんだから、やるのは自由だろ、という考えがいただけない。
それをフィギュアの発展のためとか、勘違いも甚だしい。
減点の意味が違う。
ザヤったり、衣装の一部が落ちたり、不可抗力とかミスならともかく、
わかっててやるのは失格を覚悟してほしい。
たぶん最終グループだったらやらなかっただろう。
19位でやけっぱちになったとしか思えない。
それを観客が盛り上がっているから、とか、フィギュアのルールを変えたいとか
理屈をつけるのはやめてほしい。
ていうか、コーチたちも止めろよ。
リショーさん、喜んでいる場合かよ。
私だったら、めっちゃ怒るで。
ネイサンの平昌を思い出したなんて、言わないで欲しい。
ネイサンと一緒にすな。
ネイサンはルールは守るよ。あーたとは違う。
せっかく素晴らしい選手なのに、もったいない事です。
ISUもしっかりしろよ。
正直、ミーシャが現役の時、ボーカル入りの曲が禁止されていた時もどうかなぁと
思っていた。
減点は覚悟ではあったのだが、それもアンフェアだな、と。
危険とかではないので、お目こぼしだったのかもしれないが、ボーカル入りだと
表現がよりダイレクトに伝わりやすいじゃないですか。
そうじゃない選手とでは、やはりフェアじゃないよね、と思っていた。
もし、そんなに危険ではない。
リンクも傷つかない、という事がはっきりしたなら、ルールが解禁されてからやれ。
私はフェアでなく、ルールを守らないのが、一番イヤです。
それはもう、競技として成立しなくなるから。
と、まぁ、文句を垂れましたが、アダムのFSは素晴らしかったので、
3位は妥当。
でも、表彰台に乗るのは違和感がありました。
とまぁ、全体的には素晴らしかったのではないでしょうか。
という雑感です。
【今日の独り言】
エキシにPちゃんが出るのも、素晴らしい事のひとつでした。